次は基本原則2.動作・動線の原則について説明していきます。
動作・動線とは今回の場合「家の中での人の生活行動」を意味します。動きの方向としてはしゃがんだり立ったりの高さ方向を動作、場所移動を含む平面方向を動線として動きの方向を考えることで、どこにモノを配置すべきか分かるようになります。
まず高さ方向の動作については、以下の3段階の動きに分けられます。例としてはクローゼットの中での動作を考慮したモノの配置を考えます。
上段 手を伸ばしたり、台の上に乗る必要のある高さ
モノを取るのに最も手間がかかります。シーズンオフの服など普段使わないモノを保管するなどの場所として利用するとスペースを活かせます。
中段 腰~目線の高さ
一番手に取りやすい高さです。普段からよく使うモノを配置しましょう。ハンガーラックの位置がちょうどこの目線の場合が多いため、普段着は収納から出してハンガー掛けして収納しておくと楽に取り出せます。
下段 かがんだり、しゃがんだりする必要のある高さ
ひと手間かかりますが比較的手に取りやすい位置です。また重たいものは必然的に下段で保管するためよく使うものを手前に、あまり使わないモノを奥の方に配置することで取り出しやすさも考慮できます。
次に平面方向の動線について、家の中で人が行動する道筋になりますが、寝室から洗面台に行く、キッチンから押し入れに行くなど、目には見えなくても家の中には様々な動線がはりめぐらされています。まずは以下2点に注意してみましょう。
移動距離を減らす
洗濯機から洗い物を取り出し、ベランダで干し、アイロンをかけ、クローゼットまで持っていき服を収納する。日常生活ではよくある動線ですが、それぞれの作業をできるだけ移動せずに行えるようにモノを配置しましょう。ハンガー、洗濯ばさみ、アイロン、洗濯カゴを動かせば動かすほど戻すのが面倒になり、その場に放置しがちになります。
動線が集中する場所にはできるだけモノを置かない
玄関の下駄箱やダイニングテーブルの上など動線が集中する場所です。加えて「腰~目線の高さ」になるため、無意識にモノを置いてしまう場所になります。帰宅して、下駄箱の上になんとなく仕事のバッグや折り畳み傘、鍵などを置いてしまうなどの経験は少なくないでしょうか。油断ならぬ場所ですので、そういう場所にはモノを置かないとあらかじめ決めておきましょう。花瓶や写真立てなどをおいて先にスペースを潰しておくのも手です。
余談ですが動作・動線の考え方は悪い習慣をやめたい時の一つの方法として応用できます。皆さんは習慣の20秒ルールについてご存じでしょうか。物事を開始するのまでに20秒以上時間がかかるとやりたくなくなるという人の習性です。
使う頻度を控えたいモノ(ゲームやお酒など)がある場合に動作・動線の原則の逆を行い、無駄に時間がかかってしまう取り出しにくい場所、例えばクローゼットの高く一番奥の場所に収納しておきます。さらに手前に重たい荷物を置いておくのも手です。
毎回取りに行く作業が億劫になって使用を控えることができるようになります。何かをやめられないという方は、やめたいモノがすぐに取り出せる場所に仕舞ってないか確認してみましょう。
まとめ 動作・動線でまずはやってみること
- 【高さ方向】最もよく使うモノは中段に、あまり使わないモノは上段→下 段の順番で配置する
- 【平面方向】移動距離のムダを減らすモノの配置を考える
- 【平面方向】生活動線の集中しすぎる場所にはできるだけモノを置かない